みなさんこんにちは!
株式会社solare、更新担当の中西です!
目次
四季のある日本において、菊は古くから“気高く神聖な花”として、
そして現代では「日常の暮らしを彩る花卉商品」として、生活や文化の中に深く根を下ろしてきました。
本記事では、そんな「菊栽培業」の歴史をたどり、日本社会と菊との関係性に迫ります。
菊の原産地は中国。
古代中国では「不老長寿の霊薬」とされ、9月9日の重陽(ちょうよう)の節句には、菊酒を飲み長寿を願う習慣があったほどです。
唐代(7〜9世紀)に宮廷の庭園で栽培
観賞用としてだけでなく、薬用・茶・入浴用にも活用
このような“特別な植物”としての扱いが、奈良時代の日本にも伝わり、やがて貴族や寺院を中心に広まっていきました。
平安時代には、宮廷の庭園に菊を植え、和歌に詠まれる対象としての地位を確立します。
『万葉集』にも菊に関する記述が登場
鎌倉期以降、武士の家紋(菊紋)にも使われるように
特に後鳥羽上皇が菊を愛したことから、菊花が「皇室の象徴」となり、今も“菊の御紋”として受け継がれています
江戸時代には、庶民文化の中で菊の品種改良が活発化。
菊人形・盆栽・懸崖仕立てなどの園芸技術も発展し、菊は趣味・競技・芸術の対象としても愛されるようになりました。
明治期になると、日本の農業全体が近代化する流れの中で、菊の商業栽培が始まります。
品種改良が急速に進み、切り花専用品種が登場
温室・加温栽培・電照栽培の導入で、周年供給が可能に
仏花・墓参用の需要を中心に、**需要が安定した“花卉ビジネス”**へと発展
昭和期には、各地で菊栽培を軸とした農家組合や集出荷組織が立ち上がり、
市場に安定的に供給する体制が整っていきます。
1980年代以降、葬儀・法事・仏壇への需要は高い水準を維持し、**菊は“生活に密着した花”**として確固たる地位を築きます。
市場の主流は「輪菊・小菊・スプレー菊」など、仏花需要向け
一方で、カラフルで洋花と合わせやすい品種も台頭し、花束・アレンジメント用途でも活躍
さらに、農協や花卉出荷団体では、等級・規格・出荷日調整を徹底し、品質の均一化とブランド化が図られました。
現代では、少子高齢化・葬祭の簡素化・仏壇離れといった社会変化により、仏花中心の菊需要が減少傾向にあります。
しかし、その一方で――
菊の美しさを見直す「和のインテリアフラワー」需要の拡大
切り花だけでなく、鉢植え・アートフラワー・ドライフラワー化
海外でのジャパニーズ・マム(Mum=菊)人気が上昇中
こうして、菊は今また“新たなステージ”へと変化を遂げつつあるのです。
菊の栽培は、単なる花づくりではなく、日本文化そのものを育ててきた産業でもあります。
そして、栽培業としても常に時代のニーズと向き合い、進化と挑戦を繰り返してきた職人たちの歴史でもあります。
次回は、そんな菊栽培の現場で、プロが守り続けてきた“鉄則”についてご紹介いたします。
次回もお楽しみに!
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