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月別アーカイブ: 2025年6月

solareNEWS~鉄則~

みなさんこんにちは!

 

株式会社solare、更新担当の中西です!

 

 

 

菊栽培業の鉄則:美しい花を咲かせるための“5つの原則”

 

 

 

菊は一見育てやすそうな印象を持たれることもありますが、
実際には栽培期間が長く・気温や日照に左右されやすい繊細な作物です。


本記事では、**菊栽培のプロが実践している“5つの鉄則”**を中心に、現場の知恵と技術を詳しく紹介します。


◆ 鉄則①:品種選びは“目的と地域”で決まる

 

菊は驚くほど多品種。切り花用、鉢物用、展示用、盆栽用など用途が明確に分かれており、栽培方法も大きく異なります

  • 輪菊、小菊、スプレー菊 → 仏花・出荷用に適す

  • ポットマム → 鉢物販売・秋のイベント用に人気

  • 懸崖菊・福助菊 → 展示会やコンテスト向け

また、栽培地の気温・日照時間・降雨量によっても、適した品種が変わります。
プロは「土地と市場に合った品種選び」から全てを始めます。


◆ 鉄則②:日長管理(電照・遮光)は栽培のカギ

 

菊は**「短日植物」=日照時間が短くなると開花スイッチが入る植物です。
したがって、
“いつ花を咲かせるか”は人の手でコントロールする必要があります。**

  • 夏場は「電照(夜間に光を当てて開花を抑制)」

  • 秋・冬場は「遮光(暗くして開花を誘導)」

これらの光環境の操作が、出荷タイミングや市場価格に直結するため、非常に重要です。


◆ 鉄則③:整枝・摘心・支柱で美しい姿を作る

 

美しい菊は、「自然まかせ」ではできません。

  • **摘心(つぼみを間引く)**ことで栄養を一点集中

  • **整枝(枝の数や角度を整える)**で形をコントロール

  • 支柱で倒伏防止・日照均一化

プロは1本1本に手をかけ、まるで“作品”を仕上げるように花姿を整えていきます。
この緻密な手間の積み重ねこそ、菊栽培の真骨頂です。


◆ 鉄則④:病害虫対策は“予防”が基本

 

菊栽培では特に以下の病害虫が問題になります:

  • 灰色かび病(Botrytis)

  • うどんこ病

  • アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニ類

 

発生してからでは手遅れになることが多いため、

  • 風通しのよい栽培密度設計

  • 定期的な薬剤ローテーション

  • 床面・支柱・手袋などの衛生管理

など、徹底した予防管理が鉄則です。


◆ 鉄則⑤:品質=“鮮度・長持ち・花姿”の三拍子で評価される

 

市場で評価される菊とは、

  • 蕾の締まりと花形の均整がとれている

  • 花持ちが良い(長く飾れる)

  • 輸送に耐えられる茎の強さがある

これらのすべてを満たすことで、高単価・安定出荷が実現します。
プロ農家は、収穫・予冷・包装・出荷までを**“一連の商品づくり”**として取り組んでいます。


◆ まとめ

 

菊栽培には、自然と向き合い、技術を尽くし、感性も磨く力が求められます。
それはただの農作業ではなく、**「季節を咲かせる仕事」「心を届ける仕事」**といえるでしょう。

今後も菊は、仏花としてだけでなく、観賞・装飾・贈答・国際市場でもその可能性を広げていくはずです。
そしてその未来を支えるのは、現場で鉄則を守り続ける“職人たちの技術と誇り”です。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

solareNEWS~歴史~

みなさんこんにちは!

 

株式会社solare、更新担当の中西です!

 

 

 

菊栽培業の歴史:日本の心を支えてきた“国花”の歩み

 

 

 

四季のある日本において、菊は古くから“気高く神聖な花”として、
そして現代では「日常の暮らしを彩る花卉商品」として、生活や文化の中に深く根を下ろしてきました


本記事では、そんな「菊栽培業」の歴史をたどり、日本社会と菊との関係性に迫ります。


◆ 菊の起源:中国から渡来した“霊草”

 

菊の原産地は中国
古代中国では「不老長寿の霊薬」とされ、9月9日の重陽(ちょうよう)の節句には、菊酒を飲み長寿を願う習慣があったほどです。

  • 唐代(7〜9世紀)に宮廷の庭園で栽培

  • 観賞用としてだけでなく、薬用・茶・入浴用にも活用

このような“特別な植物”としての扱いが、奈良時代の日本にも伝わり、やがて貴族や寺院を中心に広まっていきました。


◆ 平安・鎌倉〜江戸時代:日本文化と融合した“観賞の花”

 

平安時代には、宮廷の庭園に菊を植え、和歌に詠まれる対象としての地位を確立します。

  • 『万葉集』にも菊に関する記述が登場

  • 鎌倉期以降、武士の家紋(菊紋)にも使われるように

  • 特に後鳥羽上皇が菊を愛したことから、菊花が「皇室の象徴」となり、今も“菊の御紋”として受け継がれています

江戸時代には、庶民文化の中で菊の品種改良が活発化
菊人形・盆栽・懸崖仕立てなどの園芸技術も発展し、菊は趣味・競技・芸術の対象としても愛されるようになりました。


◆ 明治〜昭和前期:近代農業と共に菊の栽培業が確立

 

明治期になると、日本の農業全体が近代化する流れの中で、菊の商業栽培が始まります

  • 品種改良が急速に進み、切り花専用品種が登場

  • 温室・加温栽培・電照栽培の導入で、周年供給が可能に

  • 仏花・墓参用の需要を中心に、**需要が安定した“花卉ビジネス”**へと発展

昭和期には、各地で菊栽培を軸とした農家組合や集出荷組織が立ち上がり、
市場に安定的に供給する体制が整っていきます。


◆ 昭和後期〜平成:大量生産と需要の多様化

 

1980年代以降、葬儀・法事・仏壇への需要は高い水準を維持し、**菊は“生活に密着した花”**として確固たる地位を築きます。

  • 市場の主流は「輪菊・小菊・スプレー菊」など、仏花需要向け

  • 一方で、カラフルで洋花と合わせやすい品種も台頭し、花束・アレンジメント用途でも活躍

さらに、農協や花卉出荷団体では、等級・規格・出荷日調整を徹底し、品質の均一化とブランド化が図られました。


◆ 令和時代:脱・仏花へ?菊の新たな可能性

 

現代では、少子高齢化・葬祭の簡素化・仏壇離れといった社会変化により、仏花中心の菊需要が減少傾向にあります。
しかし、その一方で――

  • 菊の美しさを見直す「和のインテリアフラワー」需要の拡大

  • 切り花だけでなく、鉢植え・アートフラワー・ドライフラワー化

  • 海外でのジャパニーズ・マム(Mum=菊)人気が上昇中

こうして、菊は今また“新たなステージ”へと変化を遂げつつあるのです。


◆ まとめ

 

菊の栽培は、単なる花づくりではなく、日本文化そのものを育ててきた産業でもあります。
そして、栽培業としても常に時代のニーズと向き合い、進化と挑戦を繰り返してきた職人たちの歴史でもあります。

次回は、そんな菊栽培の現場で、プロが守り続けてきた“鉄則”についてご紹介いたします。

 

 

 

次回もお楽しみに!