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日別アーカイブ: 2025年9月17日

solareNEWS~菊の歴史~

みなさんこんにちは!

株式会社solare、更新担当の中西です!

 

 

~菊の歴史~

「一年中、どのまちの店頭にも必ずある花」。
菊(キク)は、観賞・儀礼・日常の装いまで支える**日本の“定番”**です。
ここでは、栽培出荷業の目線で、菊の歴史を“技術・流通・需要”の三つの軸から振り返ります。


1|起源:古代中国の薬草・観賞植物

  • 菊は古くから**薬用・飲用(菊花茶・菊酒)**として珍重。

  • 9月9日の重陽(ちょうよう)の節句は、菊に長寿を祈る行事。

  • “丈夫で長く咲く”性質が、実用と縁起の両面で価値を高めました。


2|日本への渡来と宮廷文化(奈良〜平安)

  • 渡来後、**宮廷の宴(菊花の宴)**や歌に登場し、意匠として広がる。

  • のちに十六弁の菊花紋が定着し、国家・皇室の象徴へ。

  • 季節の行事と結びつき、菊=節目を祝う花という認識が育ちました。


3|江戸の園芸ブーム:古典菊の誕生(町人文化)

  • 園芸熱の高まりから江戸菊・伊勢菊・肥後菊など“古典菊”が確立。

  • 菊人形・品評会が人気イベントに。

  • 栽培は鉢作り・整形技術が中心で、熟練の手しごとが価値を生む時代。


4|近代〜戦前:博覧会と洋花文化の波

  • 明治の博覧会で洋花と競い合い、鑑賞・儀礼・庭園の三用で普及。

  • 出荷は地域の市場へ持ち込みが主体、冷蔵・保冷は未発達。


5|戦後の量的拡大:切り花産業としての確立

  • 都市化・冠婚葬祭の定着で仏花・法要の需要が大きく伸長。

  • 生産団体(JA)と中央卸売市場を軸に、等級・長さ・輪数など規格流通が整う。

  • 産地は温暖地・高冷地のリレーで周年供給を実現(夏は高冷地、冬は暖地・施設)。


6|1970s–1990s:技術革新で“周年出荷”を実現

  • 菊は短日植物

    • 遮光カーテンで花芽をつける“促成”、

    • **電照(夜間の点灯)**で花を遅らせる“抑制”。
      需要期に合わせた開花コントロールが可能に。

  • 挿し芽の無病化(茎頂培養)、**品種改良(輪菊/スプレー菊)**が進む。

  • 出荷は予冷→コールドチェーンが一般化し、日持ちが向上。

輪菊(ディスバッド)=大輪一花仕立て。儀礼・仏花の主役。
スプレー菊=一茎多花。量販・アレンジメントで存在感。


7|グローバル化:品種ビジネスと国際物流

  • オランダ系ブリーダーを中心に品種供給の国際化

  • 近年は海外の大規模生産地(例:赤道近傍の高地)から航空輸送で世界の市場へ。

  • 日本国内は夜間集荷→早朝せり→共同配送の24時間サイクルに対応し、求められた日に必ずある体制が完成。


8|2000s–2020s:需要の多角化とリブランディング

  • 色・形の多様化(ライムグリーン、スパイダー咲き等)で洋花ミックスに溶け込む。

  • 量販・EC・サブスクで“日常花”としての回転が加速。

  • フローリストは菊を**「強くて、長く、合わせやすい主役」**として再評価。

  • 産地はLED電照・省エネ温室・生分解性資材へシフトし、サステナブル出荷を強化。


9|出荷の現場が磨いてきた“型”

  • 品質:切前(つぼみ〜開花段階)を用途別に調整/水揚げ・パルスで日持ちアップ

  • 規格長さ・輪数・等級を市場基準で統一、箱詰めの再現性でクレーム低減

  • タイミング需要カレンダー(盆・彼岸・年末・母の日・お彼岸明けの婚礼増)に合わせた遮光・電照の逆算

  • 物流予冷→保冷車→共同配送、温度逸脱の監視(データロガー)


10|“やりがい”はどこに宿るか(栽培・出荷・販売)

  • 栽培

    • 遮光・電照の読みが当たり、狙いの日に満開で揃う瞬間。

    • 高温・低光の難局を越えて、茎が太く、花が締まったロットができた手応え。

  • 選花・梱包

    • 区分け・輪数・長さが美しく揃った箱を作り上げる職人の快感。

  • 販売・バイヤー

    • 「この色が欲しかった」「長持ちした」の声。定番棚がきちんと回る安心感。

  • 産地チーム

    • 産地間リレーで欠品を防ぎ、“絶やさない”を達成した時の誇り。


11|これからの菊:5つの焦点 🔭

  1. サステナブル栽培:LED電照・断熱温室・再生可能エネルギー。

  2. 労務省力化:挿し芽ライン、選花・結束の半自動化、労働安全の標準化。

  3. データ予測開花予測AI×天候データで需要カレンダーとの誤差最小化。

  4. ブランド化産地名・品種名の前面表示、ストーリー発信で“指名買い”へ。

  5. 販売多様化:EC・サブスク・仏花のモダン化(色・形の再編集)。


12|菊は「欠かせない日常」を支える産業

薬草・宮廷・古典園芸から始まり、短日制御とコールドチェーンで“いつでも手に入る花”になった菊。
安定供給=信頼が積み重なり、節目と日常の両方を担う花としての地位はゆるぎません。
栽培出荷の現場には、季節と需要を読み切る知恵と、箱を開けた瞬間の美しさに責任を持つ誇りが息づいています。
次の一手は、省エネ・自動化・データ活用。——“定番”を、もっと強く、もっとやさしく。🌱