みなさんこんにちは!
株式会社solareです!
~花の価値を市場まで守る~
生花栽培では、花を咲かせることがゴールではありません。
切り花は収穫した瞬間から、少しずつ鮮度が低下していきます。
花店や消費者の手元へ届いたときに、美しい状態で長く楽しめるようにするためには、収穫時期、水揚げ、温度管理、選別、梱包、輸送までを丁寧に管理する必要があります
栽培中に高品質な花を育てても、収穫後の扱いが悪ければ、花弁が傷んだり、茎が曲がったり、水を吸わなくなったりします。
生花栽培業では、収穫後の技術も商品価値を決める重要な要素です。
切り花は、花の種類や販売先によって、収穫する開花段階が異なります
つぼみが硬い状態で切る花もあれば、ある程度開いた状態で切る花もあります。
早く切りすぎると、出荷後に十分開花しない場合があります。
反対に開きすぎてから切ると、輸送中に花弁が傷みやすく、店頭で楽しめる期間が短くなります。
市場出荷、近隣直売、イベント当日納品など、販売までの日数を考えて収穫します。
同じ圃場でも、つぼみの大きさや色づきが株ごとに異なるため、一律に収穫するのではなく、一輪ずつ確認します。
一般的に、気温が低く、植物体に水分がある時間帯は、収穫に適しています
早朝に収穫すれば、日中の高温による水分損失を抑えやすくなります。
ただし、朝露で花や葉が濡れている場合は、輸送中に蒸れや病気が発生する可能性があります。
露が落ち着くまで待つ、収穫後に十分な通気を確保するなどの工夫が必要です。
真夏の日中に収穫すると、花の温度が高く、水分を失いやすい状態になります☀️
収穫後すぐに日陰や冷涼な場所へ移します。
収穫には、はさみやナイフを使用します✂️
切れ味が悪い刃物では、茎がつぶれ、水を吸いにくくなる場合があります。
切り口が傷むと、微生物が増えやすくなる可能性もあります。
定期的に刃を研ぎ、汚れを取り除きます。
病気の株を切った道具で健康な株を続けて切ると、病原菌を広げることがあります。
必要に応じて道具を消毒します。
茎の太さや硬さに合う道具を使い、一度で切ることが重要です。
切った花を手で強く握ったり、地面へ置いたりすると、茎や葉が傷みます。
花弁は非常に繊細で、指の圧力や摩擦だけでも傷が付く場合があります
収穫かごや台車へ、向きと量をそろえて置きます。
一つの容器へ詰め込みすぎると、下の花へ重さがかかります。
長い茎を無理に曲げると、目に見えない傷ができ、輸送中に折れることがあります。
収穫後の取り扱いを静かに行うことが大切です。
切り花は、茎の切り口から水を吸収します
収穫後に長時間水へ入れずに放置すると、切り口から空気が入り、水を吸いにくくなる場合があります。
収穫後は、できるだけ早く清潔な水へ入れます。
必要に応じて茎を切り戻し、新しい切り口をつくります。
水中で切り戻す方法を使う場合もあります。
ただし、葉が水へ浸かると腐敗しやすくなるため、水へ入る部分の葉を取り除きます。
使用するバケツや容器が汚れていると、水の中で微生物が増えます
微生物が茎の導管へ入り込むと、水を吸いにくくなり、花が早くしおれる可能性があります。
容器は使用後に洗浄し、汚れやぬめりを残さないようにします。
水を毎回新しくし、長時間使い回さないことも重要です。
花の種類に合わせて、鮮度保持剤を使用する場合があります。
濃度が高すぎても低すぎても効果が十分に出ない可能性があるため、決められた量を守ります。
収穫直後の花は、温室や屋外の熱を持っています️
高い温度のまま箱へ詰めると、呼吸が活発になり、鮮度低下が早まります。
出荷前に花の温度を下げる予冷を行い、呼吸と水分損失を抑えます。
ただし、急激に冷やしすぎると、低温に弱い花が傷む場合があります。
花の種類に合った温度へ調整します。
冷蔵庫内でも、冷気が直接当たり続けると、花弁が乾燥する場合があります。
風の当たり方と湿度にも注意します❄️
収穫後に冷やしても、輸送中や集荷場で温度が上がれば、鮮度低下が進みます
収穫、選別、保管、輸送、市場まで、低温状態をできるだけ維持することが重要です。
これをコールドチェーンと呼びます。
冷蔵車を使用する場合も、荷室を事前に冷やしておかなければ、積込み直後に花の温度が上がる可能性があります。
箱を隙間なく積みすぎると、冷気が回りにくくなります。
積載方法と空気の流れを考えます。
収穫した花は、茎の長さ、太さ、花の大きさ、開花状態、曲がり、傷などを確認します
同じ基準の花をそろえて束にします。
市場や取引先によって、等級や規格が決められている場合があります。
長さだけでなく、茎の強さ、葉の状態、花首の曲がりなども評価されます。
規格外の花を高い等級へ混ぜると、取引先からの信頼を失います。
一方で、規格外品にも、短い花束、加工品、直売用などの価値があります。
用途に合った販売方法を考えます。
切り花の下葉を整理すると、束ねやすく、水へ浸けた際の腐敗も抑えられます
ただし、葉を取りすぎると、見た目のボリュームが減る場合があります。
取引先の規格と花の種類に合わせて整理します。
傷んだ葉や虫食い葉は取り除きます。
花弁へ汚れや花粉が付いている場合も、傷つけないように整えます。
ユリなどでは、花粉による衣類や花弁の汚れを防ぐため、花店側でおしべを処理する場合があります。
生産者がどこまで処理するかを取引先と共有します。
花を束ねる際は、輸送中にばらけないよう固定します
しかし、ひもや輪ゴムを強く締めすぎると、茎へ跡が付き、水の通りが悪くなる可能性があります。
花の太さと本数に合った結束資材を使います。
束の上部と下部を適切に固定し、花首同士がぶつからないようにします。
品種名、等級、本数、生産者情報などの表示も確認します️
出荷箱は、花の長さと量に合う物を選びます
短い箱へ無理に入れると、茎が曲がったり、花首が押されたりします。
大きすぎる箱では、輸送中に花が動き、花弁がこすれる場合があります。
花の向きと重なりを整え、必要に応じて保護紙や仕切りを使います。
箱の通気性も重要です。
密閉しすぎると、内部に熱や湿気がこもります。
一方で、開口部が多すぎると、冷気や乾燥の影響を受ける場合があります。
道路輸送では、振動や急ブレーキによって花が動きます
箱を固定し、荷崩れを防ぎます。
重い荷物を花の箱の上へ載せてはいけません。
花首が弱い品種や大輪花では、上下方向の衝撃にも注意します。
市場までの距離や道路状況を考え、梱包方法を調整します。
遠距離輸送では、輸送時間中に開花が進むことも考慮します。
注文数、出荷日、規格をもとに、収穫予定を立てます
しかし、花は工業製品のように、予定どおり同じ日にすべて咲くとは限りません。
気温や天候によって開花が前後します。
圃場ごとの生育状況を確認し、早咲きと遅咲きを組み合わせます。
注文数が多い場合は、複数の栽培区画で開花時期をずらす方法があります。
特定の日へ出荷が集中する場合は、作業員、保冷庫、梱包資材、輸送車両も確保します。
出荷した花が、どの圃場、品種、収穫日、作業者のものかを記録します
品質問題が発生した場合に、原因となる栽培条件や出荷ロットを確認できます。
病害虫防除、肥料、収穫、鮮度保持処理などの履歴も残します。
取引先から問い合わせがあった際に、正確な情報を伝えられることが信頼につながります。
温室へ温度、湿度、日射、土壌水分などのセンサーを設置し、自動で記録できます
設定温度を超えた場合に換気窓を開ける、土壌が乾いた場合にかん水するなど、自動制御も可能です。
夜間や外出中でも環境を管理しやすくなります。
スマートフォンで温室状態を確認し、異常時に通知を受ける仕組みもあります
ただし、センサー故障や通信不良が起こる可能性があります。
自動化しても、定期的な現場確認は必要です。
カメラで花や葉を撮影し、生育速度、開花段階、病害の兆候などを分析する技術があります
広い温室内をすべて人が確認する負担を減らせる可能性があります。
開花予測が正確になれば、収穫人員や出荷量を計画しやすくなります。
ただし、画像だけでは、根の状態、におい、茎の硬さなどを判断できません。
デジタル技術は、生産者の観察を補助する道具として活用します。
生花の価格や需要は、季節、行事、流行、天候などによって変化します
市場価格、注文状況、花店からの要望を確認し、次作の品種や数量へ反映します。
人気色が変化した場合、新しい品種を試験栽培する方法があります。
一度に全面積を変更するのではなく、小さな区画で品質や収量を確認します。
生産技術だけでなく、売れる花を見極める情報収集も重要です。
かん水量をセンサーで調整すれば、水の無駄を減らせます
肥料を必要な量だけ与えることで、土壌や排水への負担を抑えられます。
暖房設備の効率を高め、保温カーテンを使用すれば、燃料消費を減らせます
規格外花をドライフラワー、染色花、加工品へ活用する方法もあります。
廃棄を減らし、一輪でも多く価値へ変える工夫が求められます。
生花栽培業では、花が咲いた後の収穫、選別、水揚げ、予冷、梱包、輸送まで、品質管理が続きます
花に合った開花段階で収穫し、清潔な水と低温環境で鮮度を守ります。
さらに、等級を正確に分け、輸送中に傷まないよう梱包します。
センサー、画像分析、栽培記録を活用すれば、開花予測や作業計画の精度を高められます。
ただし、花弁の柔らかさ、茎の強さ、色合いなど、最後は人の目と手で確認する必要があります。
育てた花の価値を、花店や消費者の手元まで守り抜くこと。
それが、生花栽培業における収穫後管理とDXの技術なのです✨